インセイン駅の近くには住宅街が広がっているわけでもなく、商業地域が広がっている訳でもなかった。何もないのだ。屋台がいくつか出ているだけだ。野菜を売る屋台の前を通り過ぎて、さらに進んでいくものの、その先には何も面白そうなものは見えてこない。絶対近くに地元の人がわんさかいるところがあるに違いないと思うのだれど、それがどこだかは歩くだけでは分からなかった。このまま当て所なく歩き続けるか、それとも駅に向かって引き返すか悩んでいた。
そうこうしていると、向こうから一台の自転車タクシーが走ってきた。客席の上には日傘が取り付けてある。そして、車夫は力いっぱいにペダルを漕いでいる。僕には目もくれず、車夫は僕の目の前を横切っていく。まるで、一刻も早く目的地に急いでいるかのように、僕がやって来た駅の方に向かっていく。その真剣な表情を見ていると、なんだか駅に向かって引き返した方がいいような気がしてきた。何しろ、列車の本数は少ない。一本乗り過ごすと、また長いこと列車を待つ羽目になってしまう。
2019年2月 ミャンマー 乗り物 | |
サイクルリクシャー 縁のある帽子 傘 ヤンゴン |
No
10906
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年02月21日
更新日
2024年01月21日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA