子どもの頃、学校の遠足に行くときには持っていって良いおやつの金額が決まっていた。あまり高いお菓子を持っていくのはご法度だったのだ。そうなってくると限られた金額の中で、何を買うべきなのか頭を使わなければならない。頭を悩ますのはそれがおやつなのかどうかの判断に迷うものがあることだった。例えばバナナ。お弁当の一部だと言い張るにはすこし甘すぎて、おやつだとしてしまうとおやつの予算が減ってしまう。遠足のバナナは厄介なものだったのだ。
そもそもバナナとは何なのだろう。果物なのだろうか、野菜なのだろうか。日本の農林水産省によると、野菜と果物の分類についてのはっきりとした定義はないらしい。ただ、生産するときに次のような特徴を持つものが野菜とされているようだ。
つまり、おやつかおやつじゃないかという視点だけでなく、野菜か果物なのかという視点においてもバナナは中途半端な位置付けにあるのだ。果実的野菜なんて呼ばれたりしている。
ジャカルタの青果店でも、もちろんバナナは普通に売られている。でも、市場で見かけた青果店ではその扱いにちょっと悩んでいるように見えた。お店には左右に大きなテーブルが置かれていて、左のテーブルには人参や玉ねぎやカリフラワーなどの野菜が、右のテーブルにはリンゴなどの果物が置かれていた。では、バナナはどこにあるのだろう。よく見てみるとバナナは果物側にあった。でも、他の果物がテーブルの上に置かれているのに対し、バナナは梁からぶら下げられていた。空中にブランブランと浮かんでいるバナナには野菜とは言い切れないけれど、力いっぱい果物とも言い切れない中途半端な扱いが現れているような気がした。
2020年11月 町角 インドネシア | |
林檎 バナナ 果物 ジャカルタ 市場 野菜 |
No
11717
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年11月02日
更新日
2023年08月30日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF