松でできた輪の向こうに見える光景

上野公園の月の松
東京の上野公園に建つ清水観音堂で撮影 ©オザワテツ
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清水観音堂の舞台床に立つと月の松の向こうに不忍池に浮かぶ弁天堂が見える

寛永寺の境内だったころの上野公園には様々な伽藍が建っていたものの、その多くが幕末の上野戦争の際に焼失してしまっている。そのような中、現存する数少ない建造物のひとつが清水観音堂だ。

京都御所の鬼門を守るために比叡山延暦寺があるのと同じように、江戸城の鬼門を守護するために建立された寛永寺には、延暦寺にある建造物だけでなく京都にある有名寺院になぞらえた建造物が数多く建てられていたのだという。現存する清水観音堂は、その名から容易に想像つくように京都の清水寺を見立てたお堂だ。

規模は小さいとはいえ、京都にある本家と同様に斜面に建てられている懸造建築、いわゆる舞台造りで建てられていて、斜面の上にせり出ている舞台床の上に立つとそこそこ眺めが良い。舞台床のすぐ近くにある松の枝を曲げて作られた輪「月の松」の向こうに視線を伸ばしていくと、不忍池に浮かぶ弁天堂がよく見える。

月の松は歌川広重も浮世絵で描いた江戸の名所だった。しかしながら広重が描いた月の松は明治初期に焼けてしまい、復活したのは約150年後の2012年のこと。復活した月の松は植えられた場所や大きさなどが江戸時代のものとは違うため、月の松の向こうに広がっている景色も広重の描いた「上野山内月のまつ」とは異なっている。それでも月の松の向こうに弁天堂が見えると、江戸時代を少しだけ身近に感じた。

ENGLISH
2021年9月 風景 東京
上野 上野公園

清水観音堂ってどこ?

PHOTO DATA

No

12030

撮影年月

2021年2月

投稿日

2021年09月15日

撮影場所

上野 / 東京

ジャンル

風景写真

カメラ

SONY ALPHA 7R II

レンズ

ZEISS BATIS 2/40 CF

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