東京国立近代美術館を出て目の前にあるお堀を越えると、そこは皇居の東御苑だ。東御苑は旧江戸城本丸と二の丸及び三の丸の一部を公園として整備したもの。富士見櫓や百人番所など、ここが江戸城だった歴史を感じさせる遺構もいくつか残っているものの、芝生が敷き詰められた広い空間があったりして、その様子は城郭の跡地というよりも近代的な西洋の公園だ。今となっては徳川幕府の中枢だったことを思い起こさせるものは残念ながら少ない。
なにせ天守閣や本丸御殿にいたっては、明治維新を迎える前に江戸城からなくなっている。天守閣は1657年に生じた明暦の大火で焼失したまま再建されず、本丸御殿も1863年に火災で焼け落ちたまま再建されなかった。同じように徳川幕府によって建てられた京都の二条城が、世界遺産に登録されるくらい豪華絢爛なのを考えると、もし本丸御殿や天守閣が現存していたらさぞ見応えがある建造物だったに違いない。かつて本丸御殿が建っていたとされる大芝生から、台座しか残っていない天守閣を遠くに眺めながら僕はそう思ったのだった。
2022年11月 町角 東京 | |
カップル 皇居 芝生 公園 傘 |
No
12400
撮影年月
2022年7月
投稿日
2022年11月21日
更新日
2023年08月10日
撮影場所
皇居東御苑 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35