JR恵比寿駅からほど近く、駒沢通りからちょっと入ったところに恵比寿神社が建っている。通せんぼするように道の真ん中に構える小さな境内は中洲のようで、町が区画整理された中、境内が特別扱いされたように見える。
しかしながらふと思う。この辺りの地名が恵比寿になったのはヱビスビールにあやかってのこと。それほど昔の話ではない。事実、この神社もかつては天津神社という名前だった。それが1959年に兵庫県の西宮神社から事代主命(恵比寿神)を勧請して、恵比寿神社に改名されたのだという。戦後の話だ。そして同時に今の場所に遷座されたらしい。
もともとは天津神社という名前だっただけに、もともと祀っていた神様も国常立神、豊雲野神、角杙神、意富斗能地神、伊邪那岐命、伊邪那美命の天津神ばかりだった。しかしながら、ここに後から合祀された事代主命は国津神だ。神話では国津神が天津神に葦原中国を譲ったことになっている。つまり国土を支配するのが国津神から天津神に変わっているのだ。でもここ恵比寿神社では事情が違う。後からやって来た国津神である事代主が天津神を脇に押しやり、どしんと真ん中に構えている。国津神のささやかな逆襲なのかもしれない。
2021年5月 人びと 東京 | |
神社 鳥居 傘 女性 恵比寿 |
No
11919
撮影年月
2020年9月
投稿日
2021年05月27日
更新日
2023年08月22日
撮影場所
恵比寿 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF