ルンギを穿いた若い男がマルダの道端に腰を下ろしていた。男は肉屋で、小屋の何も無いけれど、腰を下ろしていた場所がお店のようだ。丸太で作られた大きな俎板が男の前に置かれている。仕事中だったので、男の手には長い包丁が握られていた。包丁の峰が反り返っていて、映画に出てくる武器のようにも見える包丁だ。
インドでは町中にある肉屋さんで肉をさばいて、その場で販売していることが多い。町を歩いていると、肉屋さんを見かけることは珍しいことではないし、肉屋が肉をさばいているのを見かけるのも珍しくない。この写真の男も仕入れた肉をその場でさばいて販売していたのだ。
肉屋の男はちょうど包丁でマトンをカットしていた。肉は粗方捌かれていて、俎板の上に残っているのは頭だけになっていた。よく見ていると、目が残っていて、じっと虚空を見詰めている。ちょっと怖い。このような姿になってしまった以上、山羊の魂が無事に天国に辿り着いていること願うばかりだ。
2012年5月 インド 人びと | |
肉屋 包丁 ルンギ マルダ マトン 上半身裸 |
No
6425
撮影年月
2011年7月
投稿日
2012年05月11日
更新日
2024年07月01日
撮影場所
マルダ / インド
ジャンル
スナップ写真
カメラ
OLYMPUS PEN E-P2
レンズ
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42MM