ちょっと前に見かけた女性は忙しく働いていたけれど、その女性はここダニンゴン市場では例外的な存在のようだ。僕が訪れた時、市場で働くほとんどの人はダラダラと過ごしていた。市場には気怠い空気がそこかしこに漂っている。お店の前をいくら通り過ぎても「買わない?」なんて声を掛けられることはないのだ。僕に何かを売りつける気は全くないようだ。もっとも、僕も何かを買い求めるつもりではないので、執拗に営業を掛けられても困ってしまうだけだけど。ひょっとしたら、何をする訳でもなく見ただけで僕が客にはなり得ないと見抜いているのかもしれない。
写真の青果店も市場を漂う気怠さにすっかり飲み込まれてしまっているようだった。店頭にはバナナが山積みになっていたけれど、店主と思われるお母さんはバナナの横で疲れ切ってしまったか寝ている。横では岡さんの子どもがひとりでひっそりと遊んでいた。店先に立っても、この店からは商売っ気は微塵も感じられない。僕も周囲を漂う気怠さに飲み込まれてしまいそうになるだけだった。
2019年3月 ミャンマー 人びと | |
バナナ ダニンゴン市場 親子 睡眠 ヤンゴン |
No
10939
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年03月19日
更新日
2024年01月18日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA