夕暮れ時だった。歩いていた道には大勢の人がうごめいている。大通りの歩道には歩行者だけでなく、露天商も大勢出ていた。仕事を終えて家路についた人が多いこの時間には、その人たちを目当てに商売をしている人も多いのだ。
とある中国式寺院の前にやってくると、若い男が道端に腰を下ろしていた。脇には大きな籠が置かれていて、中にはペットボトルが沢山入れられている。男はこの人通りの多いところで冷たい飲み物を売っているのだった。
日本と違って、ヤンゴンの町中には自動販売機のようなものは存在しない。言うなれば、この若い男のように飲み物を売っている人たちが自動じゃない販売機のような存在なのだ。
見たところ、男は商品を売るのにあまり熱心ではないようだ。僕が男の目の前に立ち止まっても、冷たい飲み物を勧めてくることはない。まるで、買いたければ売ってあげることも不可能ではないとでも言いたげな雰囲気だ。男はじっと腰を下ろしたまま、目の前を行き来する人びとを眺めている。夕暮れ時の強い日差しが男の顔を照らしている。そして、男は眩しそうに目を細めていた。
2019年1月 ミャンマー 人びと | |
飲み物 ペットボトル 露天商 ヤンゴン 青年 |
No
10856
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年01月11日
更新日
2024年01月23日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA