交差点に差し掛かると、道端に大きなパラソルが立てられていた。人がその下に腰を下ろしている。露店商だった。今回行き会った露店商も、またしてもクーン売りだった。この交差点の人通りは少なくて、そのせいか露店にも客はいなかった。露店商たちは時間を持て余しているようだ。スマホで時間を潰している人の姿も見える。もっとも、これだけの数のクーン売りが営業をしていると、当然の結果として人気のあるお店と人気のない店が出てしまうのだろう。一見同じように見えるクーンもお店によって味は微妙に違うのだという。
写真のクーン売りの女性は前かがみになって腰掛けていた。そして、開いたパラソルの支柱にしっかりとつかまっている。その姿はまるで、吹き荒れる暴風に耐え忍んでいるかのようだった。僕は道の真ん中に立ち止まって、空を見上げた。頭上には雲ひとつ無い澄み切った空が広がっている。暴風が吹き荒れているのは、どうやら女性の心の中だけのようだった。
2018年11月 ミャンマー 人びと | |
露天商 傘 女性 ヤンゴン |
No
10809
撮影年月
2018年9月
投稿日
2018年11月26日
更新日
2024年01月25日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA