仏塔かもしくは仏像が安置されたお堂のようなものが僧院の中には建っているのだと持っていたけれど、それは僕の思い込みだった。ヤンゴン中心部にある僧院にはそのような建造物はなく、ただ僧侶が生活を送る僧房があるだけだった。ミャンマーにあるほとんどの仏教寺院の中心には仏塔が建っているので、ずっと仏塔があるところを探していた。道理でなかなか僧院が見つからないわけだ。
僧房の外観自体も周囲の住居と何ら変わるところがない。僧侶の姿がないとそこが僧房だと判断するのは難しいくらいだ。仏塔もないし、僧侶の姿も少ない。結果として、僧院を見つけるのにかなり歩き回ってしまったのだった。
やっと見つけた僧院は静かだった。扉のない建物の中は外から丸見えで、入り口近くに置かれたちゃぶ台に袈裟を纏った若い僧侶が就いているのが見える。僧侶は穏やかな様子で朝食を採っていた。優雅な朝餉に見える。ちゃぶ台の上には幾つもの皿が置かれているから、この僧侶は朝からしっかりと食べるタイプの人のようだ。
どのような朝食を食べるのか気になったけれど、さすがに他人の朝食をカメラを持って覗き込むのは憚られる。僕はちょっと離れたところか僧侶がもぐもぐしているのを見るのに留めたのだった。
No
11166
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年08月28日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA