ミョーマ市場で働いている人の全てが市場の中に店を構えている訳ではなかった。中には地面に商品を並べて商売をしている人もいる。ひょっとしたら、このような人たちは何か別に本業を持っているのかもしれない。実際のところはよく分からないけれど、写真の男も店を構えることなく市場で商売をしていたひとりだ。
ピスヘルメットのような帽子を被った男は通路の真ん中に腰を下ろして野菜を売っていた。目の前には野菜が沢山並べられている。男は僕のカメラに気がつくと、まっすぐに力強い視線を僕に投げかけ始める。
シャッターを切っていると、野菜売りの男の背後を僧侶が通りかかった。僧侶は脇に大きな托鉢用の鉢を抱えている。市場に托鉢をしに来たようだ。袈裟を纏っていた僧侶は僕のカメラには一瞥もくれずに歩き去っていく。ミャンマーでも仏教徒が多いのだけれど、日本と違って主流は上座部仏教だ。そのため、町中で托鉢をしている僧侶の姿を見かけることはそれほど珍しいことではない。
No
11006
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年05月10日
撮影場所
タニン / ミャンマー
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA
モノクロの写真を108枚掲載。もちろんKINDLE UNLIMITEDでも読めます。