店先にずらりと並んだ肉はまるでこの香港の生命力そのものを象徴しているかのようだった

湾仔の精肉屋
湾仔の精肉屋

香港・湾仔の路地に小さな肉屋があった。間口は狭く、奥行きも深くない。店先にはローストされた鶏が無造作に吊るされている。冷蔵ケースなどは見当たらず、常温での陳列だ。生々しいが、どこか生活感があって、妙に惹きつけられる。

店先では男が無言で作業を続けていた。大きな丸太のようなまな板の上で、手際よく鶏肉をさばいている。包丁が肉を断ち切る音が、静かに響いていた。その背後には小さな神棚があり、中華系の神が灯りの下に静かに鎮座している。仕事場と信仰とが一体になったような空間に、香港らしい時間の重なりを感じる。

整然とした都市インフラの脇に、こうした風景がまだしっかりと残っている。都市の近代性の中にあるローカルな一面を垣間見た気がした。

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2025年6月 香港 町角
祭壇 肉屋 鶏・鶏肉 俎板 湾仔

PHOTO DATA

No

12881

撮影年月

2024年9月

投稿日

2025年06月28日

撮影場所

湾仔 / 香港

ジャンル

ストリート・フォトグラフィー

カメラ

SONY ALPHA 7R V

レンズ

ZEISS BATIS 2/40 CF

日本国外で撮影した写真

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