吹き抜けに面した階段の踊り場に立って、下を見下ろすと、人々の動きがまるで舞台装置の一部のように思えてくる。臺中國家歌劇院の空間は、建築そのものがひとつの劇場のように感じられるのだ。
柔らかなカーブを描く階段の手すりと、赤いカーペット。直線があえて避けられたようなデザインは、壁や天井にも同じく施されていて、館内を歩いているだけで、自分がどこか別の世界に迷い込んだかのような錯覚に陥る。
こうした曲線の美しさは、単に装飾としての役割にとどまらない。空間全体に流れと動きを生み出し、静止した建築でありながら、どこか「生きている」印象を与えてくれる。まるで音楽やダンスと同じように、この建物もまた身体で感じるものなのかもしれない。
2025年6月 建築 台湾 | |
階段 台中 劇場 |
No
12870
撮影年月
2024年12月
投稿日
2025年06月24日
撮影場所
台中 / 台湾
ジャンル
建築写真
カメラ
IPHONE 14 PRO