外濠公園はその名の通り、江戸城の外濠に築かれている公園だ。すっかりのどかな雰囲気に包まれている外濠の土手からは眼下に外濠があり、濠の外側を走る外堀通りが遠くに見える。
「城郭考古学の冒険」という本によると、ヨーロッパの城は城壁で守ったのに対して、日本の城は堀で守ったとのだという。確かに土手の上から堀の様子が丸見えで遮るものがない。この堀を越えて進撃するのは素人目にも大変に思える。なにせ土手の上からの見晴らしが良いため、敵が堀に侵入してきても容易に撃退できるような気がするのだ。
しかしながら時代を経るにつれ、大きな堀も無用の長物になってしまった。結果、埋められてしまった堀も多い。四ツ谷駅近くにある真田濠もそのひとつだ。1636年の天下普請の際に上田藩主真田信之らによって掘らせた真田濠は1949年に濠は埋め立てられ、北半分が四ッ谷駅に、南半分が上智大学のグラウンドになっている。
かつては水を湛えていた堀だったグランドへと続く道は土手から長い階段になって下っている。それほど急ではないものの、かつての江戸城の防御力を思い起こさせるのに十分なくらい階段は長い。キツイ練習を終えた後にこの階段を登って帰るのは大変に違いない。
2021年10月 町角 東京 | |
人影 紀尾井町 階段 木 |
No
12047
撮影年月
2021年3月
投稿日
2021年10月02日
更新日
2023年08月17日
撮影場所
紀尾井町 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III