ひとりの人影が現れ、音も立てずにゆっくりと下りていった

明治神宮の階段
拝殿前の階段

平日の昼下がり、東京の中心とは思えぬほど静まり返った明治神宮の境内を歩いていた。参拝客の姿はまばらで、広い参道には落ち葉の音さえ聞こえる。休日には記念撮影の列ができるこの場所も、今日はのんびりと散歩を楽しむ人がちらほらいるだけだった。こんな日に参拝すれば、祀られている明治天皇と昭憲皇太后も、さぞ落ち着いて願い事を聞けることだろう。もっとも、世の人々の願いなど、神々にとっては郵便物のようなもので、届くものもあれば、紛失されるものもあるのかもしれない。

そんなことをぼんやり考えながら、拝殿の前にある石の階段を眺めていた。写真に写るその階段の横に立っていると、ひとりの人影が現れ、音も立てずにゆっくりと下りていった。もう参拝を終えた帰りだろう。足取りはしっかりしており、願い事もひと通り済ませて気分が晴れたように見える。階段の縁に淡い陽が落ち、影がすっと伸びていく。

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ENGLISH
2009年2月 町角 東京
人影 明治神宮 神社 シルエット 階段

PHOTO DATA

No

2542

撮影年月

2008年11月

投稿日

2009年02月26日

更新日

2025年11月25日

撮影場所

明治神宮 / 東京

ジャンル

ストリート・フォトグラフィー

カメラ

CANON EOS 1V

レンズ

EF85MM F1.2L II USM

日本国内で撮影した写真

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