雪が降っていて寒い日だった。家の近くの道にも雪が積もっていて、路上には自動車の轍が残っている。転ばないように注意深く轍の上を歩いていた。轍の先には同じように歩く人影が見える。
コートを来て傘を差しながら歩くその人影は、僕とは違って雪の上を歩くのに慣れているようで、すたすたと歩いている。どんどん僕との距離が開いていくばかりだった。そして、ついにはその姿は路上から消えてしまった。僕は雪まみれの道の上にひとり取り残された。路上は思いの外静かだった。
2006年2月 町角 東京 | |
轍 雪 通り 高田馬場 傘 |
No
332
撮影年月
2006年1月
投稿日
2006年02月16日
更新日
2024年07月01日
撮影場所
高田馬場 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
CANON EOS 1V