台北の大同区は古くから開発されたところだ。保安宮や孔子廟などの歴史のある寺院も残っているし、著名な観光名所である迪化街もこの区にある。しかしながら町を歩いているだけでは、その歴史を感じるのは難しい。建ち並んでいるビルは近代的というほど新しいものではなく、かといって幾星霜を思い起こさせるほど古いものでもない。中途半端に古いビルばかりだ。
この時歩いていたのも古いビルに挟まれた道だった。両脇に中層のビルが建っていて、正面にも中層のビルが立ちはだかっている。四方八方をビルに囲まれていて、歩いていると立体迷路の中を歩いている気になってくる。両脇に立つビルも正面に立つビルもまるで迷路の壁のようだ。
このような立体迷路の中を進んでいく感覚は実験用のラットと同じなのではないだろうか。ひょっとしたら、僕も進むべき道を間違えると電気ショックを受ける羽目になってしまうのかもしれない。そう考えると、進行方向を決めるのにも少しだけ緊張が走った。
2019年11月 町角 台湾 | |
建物 バイク 通り 台北 窓 |
No
11262
撮影年月
2019年7月
投稿日
2019年11月02日
更新日
2023年10月10日
撮影場所
台北 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 1.8/85