​​フランク・ロイド・ライトが設計した自由学園明日館の窓の意匠は100年経っても格好いい

自由学園明日館の窓
自由学園明日館の窓
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世界遺産に登録されている建造物というと、エジプトのピラミッドとか、奈良の法隆寺とか、カンボジアにあるアンコール・ワットとか、遠い昔に建てられたもので設計した人間の素性なんて分からないものばかりと思いがちだけれど、実際には近代になってから著名な建築家に設計された建造物も含まれている。

例えば、東京上野に建つ国立西洋美術館。ル・コルビュジエが設計した美術館は世界遺産に登録されている。他にもオランダ人建築家ヘリット・リートフェルトが設計したシュレーダー邸やメキシコを代表する建築家であるルイス・バラガンの建てた自宅兼仕事場が登録されていたりする。

この日にやって来た自由学園明日館は世界遺産に登録されていないものの、これを設計したフランク・ロイド・ライトは世界遺産に登録された作品もある世界的な建築家だ。帝国ホテルの設計のために来日していたライトは、助手だった遠藤新に自由学園創設者の羽仁もと子と羽仁吉一の夫婦に引きあわされた結果、夫妻の目指す教育理念に共鳴し、設計を引き受けることになったのだという。

このエピソードだけを聞くと、帝国ホテルの設計で忙しい中でも、依頼を受託したライトはとてもいい人に思える。でもアダム・グラントの『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』に出てくるライトは別人のよう。自分の利益を優先し、他人の功績を認めなかったため、かえって自分の評価を落とすという、あまりいい人物には描かれていないのだ。人間、一面だけを見ても、その本性なんてわからないものだ。

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ENGLISH
2022年6月 建築 東京
西池袋 学校

PHOTO DATA

No

12295

撮影年月

2022年4月

投稿日

2022年06月13日

更新日

2023年08月12日

撮影場所

西池袋 / 東京

ジャンル

建築写真

カメラ

SONY ALPHA 7R II

レンズ

ZEISS LOXIA 2/35

日本国内で撮影した写真とエッセイ

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