路地でおにごっこ

ジャカルタの路地を走る男の子
インドネシアのジャカルタで撮影 オザワテツ

カメラを向けると男の子は嬉しそうに逃げていくのだった

歩いているうちに天秤棒を担いだ男はどこかへ消えてしまい、路地は壁に挟まれた人気のないものになっていた。脇に洗濯物が干してあるものの、人は歩いていないし、生活感も漂っていない。

そのような路地に幼い男の子が現れた。男の子はちょっと離れたところから僕の様子を窺っている。他の子どもたちと同じようにカメラに興味を持ったのだろう、そう思った僕は男の子にカメラを向けようとした。けれど、これがなかなかうまくいかない。男の子はじっとしてくれないのだ。カメラを向けると、男の子はその瞬間を待っていたかのように逃げていく。

ジャカルタの路地で始まった突然のおにごっこ。カメラを向けると、男の子は見計らったように走り出す。そして、ファインダーの中には男の子の小さな背中しか無いのだった。タッタカタッタカ、小走りに逃げていく男の子は楽しそうだ。本気で追えば、すぐに男の子に追いつくことは可能だ。でも、それでは面白くないと思い、手加減して追いかけていたら、男の子の姿は忽然とどこかへ消えてしまった。

目を離したすきにどこかの建物に入ったのだろうけれど、ちょっとしたホラーのようだった。

EN

ジャカルタってどこ?

PHOTO DATA

No

11679

撮影年月

2020年1月

投稿日

2020年09月25日

撮影場所

ジャカルタ / インドネシア

ジャンル

ストリート・フォトグラフィー

カメラ

SONY ALPHA 7R II

レンズ

ZEISS BATIS 2/40 CF

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