東南アジアを旅して時折目にするもので、日本ではあまり見かけないもののひとつに天秤棒がある。棒の両端にカゴなどの容器をぶら下げて、物を運搬する道具で、バランスを取りながら支点のところで担ぐものだ。
日本でもかつては大勢の人が天秤棒を担いで商売をしていたのだという。今では全く見かけないけど。店を構えるために必要な権利金も必要ないため、簡単に商売を始められたのだそうだ。歌川広重の「東海道五拾三次 日本橋 朝の景」という浮世絵にも天秤棒を担いだ大勢の棒手振りの姿が描かれているし、葛飾北斎の「新板大道図彙・小田原町」にも描かれている。江戸時代にはあちらにもこちらにも天秤棒を担いで商売をしていた人がいたようだ。
そこでジャカルタで会った天秤棒を担いだ棒手振りだ。ジャカルタの町中を歩いていると、移動式の屋台で商売している人と同じくらい天秤棒を担いでいる人を見かける。写真の男もそのひとりだった。男は天秤棒を担いで住宅街の中で売り歩いていた。その身なりは21世紀の格好をしているけれど、天秤棒自体は浮世絵に描かれているものと同じようなものだろう。
2020年9月 インドネシア 人びと | |
行商人 ジャカルタ 天秤棒 |
No
11678
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年09月24日
更新日
2023年08月30日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF