台南を歩いていると、小さな工房に出くわした。中では何人かの女性たちが黙々と作業をしている。写真の女性もその中のひとりで、八仙彩と呼ばれる神棚用ののれんを作っているようだった。壁には完成品がいくつも掛けられており、どれも色鮮やかで見事な仕上がりだ。
女性の前には木枠が設置され、その間に布がしっかりと張られている。彼女は一本の糸を丁寧に引きながら、慎重に縫い付けていた。その手元には糸巻きや鋏が無造作に置かれているが、作業の手際は驚くほど正確だ。興味を惹かれて僕が近づくと、女性は一瞬だけ手を止め、ちらりとこちらを見た。しかし、すぐにまた集中した様子で作業を再開した。布に向けられる彼女の鋭い視線が印象的だった。
2017年3月 人びと 台湾 | |
職人 紐 工房 台南 女性 |
No
10089
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年03月29日
更新日
2025年01月03日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
EF85MM F1.2L II USM