ジャカルタの住宅密集地に伸びる路地には屋根が設けられていて、まるでトンネルのようになっている場所があった。トンネルの中にはテーブルと椅子が置かれていて、このような場所には必ずやのんびり時間を過ごしている地元の人がいる。この場所も例外ではなかった。数人の男たちが椅子に腰掛けてくつろいでいたのだ。
大抵の場合、人が行き来するところも川の流れと同じように障害が何もなくスムーズに進めてしまうところはあまり面白くない。流れが淀むような場所がないと魚が生息しにくいのと同じで、人の住むところにも流れが淀むところが必要なのだと思う。再開発された町を散策してもあまり面白く感じられないのは、導線を熟慮して設計された結果、人の流れがスムーズになりすぎているからではないだろうか。足を止めるきっかけを見つけられないまま通り過ぎてしまうのだ。
そういう意味では、この密集地は最高だった。路地は入り組んでいて、場所によっては椅子が置かれていたりする。スムーズに通り抜けようと思っても、そうはいかない。椅子に腰掛けてのんびりしていた男たちが僕の散策にちょっかいを出してくるのだった。
2021年3月 インドネシア 人びと | |
路地 縁のある帽子 ジャカルタ 男性 リラックス サムアップ 白い歯 |
No
11853
撮影年月
2020年1月
投稿日
2021年03月22日
更新日
2023年08月25日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF