ミョーマ市場で働いている人びとの多くはのんびりと過ごしていた。カメラを向けても、暇を持て余している人びとには笑顔で応じてくれる余裕がある。やはり働いているときに余裕があるのは大切だ。写真の女性もそのようにゆったりとしていたひとりだ。でも、ちょっと違うのはお店にいたのが女性ひとりではないことだった。女性の幼い息子も同じ店にいたのだ。今日の授業を終えて、お母さんが働く市場にやって来たのだろう。
男の子は女性の後にあるテーブルの上にしゃがんでいた。ふたりにカメラを向けると、お母さんは朗らかな笑顔を見せてくれる一方で、男の子はムスッとしたままで表情を変えることはなかった。不満そうな顔のまま、男の子はどこか遠くを見詰めながら鼻をほじっている。何が不満なのだろうか。カメラにも全く興味を示さない。ひょっとしたら、自分の愛しいお母さんが見知らぬ外国人のおっさんに対して朗らかに応じているのが気に食わないのかもしれない。
No
11016
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年05月18日
撮影場所
タニン / ミャンマー
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA