ボージョー・アウンサン・マーケットはヤンゴンでも随一のツーリスティックな場所だ。中に入っているお店は旅行者向けのお土産物屋ばかりで、歩いていると客引きによく声を掛けられる。ここでは、ひとり静かに歩くのは難しい。このような状況はヤンゴンの他の市場ではあまりないことだった。働いている人はみな僕のような旅行者を財布か何かだと思っているに違いない。唯一の救いは、まだ人びとがそれほど観光客すれしていなくて、それほどしつこく営業を掛けてこないことだ。
いずれにしても、買う気のないものを売り込まれるのは面倒で、それを避けるために市場の端を歩いていた。この辺にもお土産物屋が軒を連ねているものの、客引きの姿はほとんどない。そうこうしているうちに、写真の男と行き合った。男はお土産物屋の店先に腰をどっしりと下ろしていた。膝の上には箱が置かれていて、中には売り物の絵葉書が入っていた。そして、男は僕に興味を示すことなく、売り物の絵葉書を楽しそうに眺めていた。
No
11079
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年07月02日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA