ワット・ポーの向かいには地元の人向けの市場がある。ター・ティアン市場だ。市場があるとなれば、そこを訪れねばならない。よく分からない義務感に駆られた僕はワット・ポーを後にした足で道路を渡り、市場の中へと入っていったのだった。
市場の中はお店が密集しているものの、閑散としていた。賑わいか喧騒は一切感じられない。ここはバンコク有数の観光地であるワット・ポーのすぐ横で、王宮からも近いけれど、観光客の姿もほとんどなかった。よく言えば落ち着いるし、悪く言えばちょっと寂しい。店頭に並べられているものを眺めながら、薄暗い通路を進んでいく。ここでは生鮮食品はあまる売られていない。乾物の類いを売るお店が多いようだ。買い物客で賑わっていないのはそのせいかも知れない。
そうこうしているうちに、通路の向こうから幼い女の子が歩いてくるのが見えた。渋い顔をしながら、何か考え事をしているようだ。ブツブツと独り言をつぶやきながら歩いていた。市場の中は静かだったので、女の子の独り言もはっきりと聞こえる。でも、何を喋っているのかは分からなかった。
2019年12月 人びと タイ | |
バンコク 女の子 市場 通路 苦い顔 |
No
11331
撮影年月
2019年9月
投稿日
2019年12月21日
更新日
2020年09月24日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA