2024年に訪れたムンバイには、まだコンビニエンス・ストアというものが存在していなかった。セブンイレブンどころか、日本では見たことのないブランドの店すら見当たらない。お酒を買うには酒屋へ行き、新聞や雑誌を手に入れるには新聞スタンドへ、タバコを買うには写真のようなキオスクを訪れる必要がある。便利さに慣れた身には少し不便に感じるけれど、かつての日本もそうだった。
インドでコンビニが普及しない理由として、何らかの法規制がある可能性も考えられるが、それ以上にインド独特のバラ売り文化が影響しているのかもしれない。ムンバイの街角のタバコ・スタンドでは20本入りのパックをそのまま買う人は少なく、1本や2本だけを購入するのが一般的なようだった。そんな文化の中で、全てを揃えた商品を売るコンビニが根付くのは難しいのだろう。
そんなことをぼんやりと考えていると、タバコ・スタンドのそばに立つ男がこちらをじっと見つめているのに気が付いた。その視線の先を追って彼の足元を見ると、そこにはルイヴィトンのロゴが入ったサンダルがあった。街角の素朴なスタンドと、ブランド品のサンダルは奇妙な組み合わせだった。
2025年1月 町角 インド | |
キオスク ムンバイ サンダル |
No
12751
撮影年月
2024年5月
投稿日
2025年01月02日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF