市場の横の通路を入った。場所柄、昼間には大勢の人がこの場所を闊歩しているのだろうけれど、今は夜。歩いている人は少ない。寂しげな雰囲気だった。でも、身の危険を感じることはない。ヤンゴンの町は治安がいいようだ。少なくとも僕は夜間に出歩いても、危ない目には会わなかった。
市場の出入り口に差し掛かると、通路の端に若い女性が腰掛けているのが見えた。眼の前には小さなテーブルが置かれていて、上にはキンマの葉が並べられている。女性はここでクーンを売っていたのだった。見たところ、寂しげな通路を歩く人は少ないから、買い求めにやって来る客も少なく、女性は暇そうだ。手に持っったスマートフォンの画面をじっと眺めたままだった。8年前にヤンゴンを訪れたときには、スマホはおろか、携帯電話でさえも持っている人は殆どいなかった。聞いたところ、携帯電話はあるにはあるのだけれど、庶民には高すぎるとということだったのだ。
でも、8年間の間にすっかり状況は変わったようだ。この若い女性のような路上で商売をしている人びともみなスマートフォンを持つようになっている。同じ状況なら、前だと本や雑誌を読んでいたのだけれど、今ではみなスマホで動画を見たりしている。ミャンマーの国民は本の虫だと思っていたのだけれど、実は本よりも動画などのコンテンツの方がずっとお好みだったのだ。
2018年10月 町角 ミャンマー | |
通路 露天商 ヤンゴン |
No
10774
撮影年月
2018年9月
投稿日
2018年10月25日
更新日
2024年01月29日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA