ルアンパバーンの脇を流れるナムカーン川に竹で組まれた橋が架かっていた。川が増水したらあっという間に流されてしまう粗末な橋だ。実際、雨季になると流されてなくなってしまうという。そうしたら竹で再び橋を架けるのだ。自然の脅威に抵抗し、流されないように頑丈な橋を架けるよりも、流れるままに身を任すというのがとても仏教的というかアジア的に思えた。
眺めていると、オレンジ色の袈裟を纏った僧侶が現れて橋を渡り始めた。一日のお勤めを終えて、家に帰るところなのだろう。他の大勢の僧侶と違って、この僧侶は日傘を差していない。日焼けを厭わない僧侶もいるようだ。この僧侶だけでなく大勢の地元の人が現れては橋を渡って向こう岸に消えていく。この橋はこの辺りでは唯一の橋。地元の人にとっては重要なインフラになっていた。
ところで、町の重要なインフラである橋を地元の人はタダで渡れる。しかしながら僕のような観光客はお金を払わなければ渡れない。僕は地元の人と違って気軽に橋を渡れないのだ。これをお金を持っているのだからインフラを支える義務があるとしてノブリス・オブリージュの一環と思うか、山賊などが勝手に設けた関所で小銭をせびられているように思うのかで橋の印象はかなり変わってくると思う。
2008年3月 ラオス 人びと | |
バック・ショット 竹 橋 ルアンパバーン 僧侶 |
No
1491
撮影年月
2008年1月
投稿日
2008年03月17日
更新日
2024年07月01日
撮影場所
ルアンパバーン / ラオス
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM