ダラの小さな漁村の集落に建つ家々はヤンゴン川の支流に沿って並んでいた。そして、水辺には沢山の木製の漁船が係留されていた。周辺には人もおらず、漁船はどれもこれも静かにしていた。どうやら、この時刻は漁に出る時間ではないらしい。漁師は陸でのんびりしたり、船の修理をしていたりするのだ。
多くの漁船が係留されているところを見ると、ここでは大勢の漁師たちがヤンゴン川での漁で生計を立てているのだろう。日本の河川と比べると、ヤンゴン川の水も汚いように見える。でも、漁をする人も、採れた魚を食べる人もあまり気に留めていないに違いない。
係留されている漁船に近づくと、どの船も舳先にタイヤを載せている。おそらくは衝撃吸収材なのだろう。でも、タイヤの下に描かれている瞳は何のためなのかはよく分からない。眺めていると、ベトナムのメコンデルタで見た船にもみな舳先に瞳が書かれていたのを、ふと思い出す。これらの瞳も魔除けのために描かれているのかもしれない。陸上で働くのと違って、水上で働くのは一歩間違えれば死んでしまう。そんな状況で働く漁師たちの無事に村に帰ってこられるようにとの願いが込められているではなかろうか。
2018年12月 ミャンマー 乗り物 | |
竹 船首 ダラ 漁船 タイヤ |
No
10823
撮影年月
2018年9月
投稿日
2018年12月09日
更新日
2024年01月25日
撮影場所
ダラ / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA