浜離宮のある汐留はここ十数年で再開発されたので、庭園の周辺には近代的な高層ビルが幾つも建っている。もともとは徳川家の別邸で、鴨猟のための池が作られていることを考えると、造られた当時は権力の中枢だった江戸城からはちょっと離れていて自然が豊かに残っいた場所だったのだろう。でも時は流れ江戸は東京になり、どんどん膨張した結果、浜離宮の辺りもすっかり東京の中心に飲み込まれてしまった感がある。園内を歩いていても、常に視界のどこかに高層ビルが入ってくる気がするのだ。
この小径を歩いている時もそうだった。芝生の向こうに生い茂る木々のさらに向こうには高層ビルが聳えている。せめてもの救いはそのビルの中にあるような忙しさはここでは見当たらないことだ。園内には、どこを見渡しても仕事の締め切りなどを連想させるものは落ちていない。のどかな空気で満たされていた。芝生の上ではつばの広い帽子を被ったお母さんと幼子がのんびりとピクニックを楽しんでいた。
No
11241
撮影年月
2019年5月
投稿日
2019年10月18日
撮影場所
浜離宮恩賜庭園 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
EF85MM F1.2L II USM