浜離宮のある汐留はここ十数年で再開発されたので、庭園の周辺に近代的な高層ビルが何棟も建っている。浜離宮はもともと徳川家の別邸で、鴨猟のための池が作られていたことを考えると、造られた当時は権力の中枢だった江戸城から離れていて自然が豊かに残っている場所だったのだろう。でも時は流れ江戸は東京になって膨張した結果、浜離宮の辺りも東京の中心に飲み込まれてしまった感がある。園内を歩いていても、常に視界のどこかに高層ビルが入ってくる。
この小径を歩いている時もそうだった。芝生の向こうに生い茂る木々のさらに向こうに高層ビルがそびえていて、どうしても視界に入る。せめてもの救いはビルに詰め込まれているような忙しさが、ここでは見当たらないことだ。園内にはどこを見渡しても仕事の締め切りを連想させるものは落ちていない。のどかな空気で満たされていて、芝生の上でつばの広い帽子をかぶったお母さんと幼子がピクニックを楽しんでいた。
2019年10月 人びと 東京 | |
浜離宮恩賜庭園 縁のある帽子 芝生 親子 ピクニック |
No
11241
撮影年月
2019年5月
投稿日
2019年10月18日
更新日
2023年10月15日
撮影場所
浜離宮庭園 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
EF85MM F1.2L II USM