日が暮れるにつれ、台南にある食堂や屋台は活気を帯びてくる。夕食の時間がやって来たのだ。当たり前のことだけれど、食事を摂るということはどこの国の人間にとっても重要なこと。でも中国人ほど重きを置いている人はいないと思う。中華文化圏の人の食事にかける意気込みというのは日本人なんて足元にも及ばないような気がするのだ。
歩道に出ていた屋台にいる人たちを眺めていたら、ヘルメットをかぶった女性がやって来た。スクーターに乗って、この屋台に食べに来たのだろう。若い女性は金属製のトレイを手にすると、屋台に並ぶおかずを淡々と選んでいた。
僕だったら数多く並んでいるおかずを見て心躍ってしまうところだけれど、僕と違って女性の心は踊らないようだ。町角に出ている何の変哲もない屋台であっても、様々なおかずが並んでいるのはこの女性にとっては当たり前のことなのだ。実際には美味しそうなおかずが並ぶ中華圏の食文化が世界の中では少数派に属しているのだけれど、その文化に染まっている人にはそのことがなかなかわからない。自分の属する文化を冷静に眺めるのは難しいのだ。
2017年1月 人びと 台湾 | |
食べ物の屋台 ヘルメット 台南 お盆 女性 |
No
10020
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年01月28日
更新日
2023年08月15日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA