台湾の台北で撮影。
前にやって来た永和豆漿大王という食堂に再びやって来た。ここは名前に「大王」と入っているけれど、居丈高な雰囲気は微塵もない。素っ気はないものの、店員はフレンドリーだ。もっとも、その背後には偉ぶったオーナーがいるのかも知れないけれど。ここは美味しく安い。僕は地元の人気取りに豆漿を注文すた。
ここは気取ったレストランではないので、厨房は客席からも歩道からも丸見えになっている。人気のこの店にはひっきりなしに注文が入ってくるから、厨房に立つ男たちはみな黙々と忙しそうに働いている。見たところ、ここでは分業体制がきちんと確立しているようだ。それそれがそれぞれの仕事をこなしている。手前のカウンターに立つ男は細長い包丁を手にして長く伸ばした生地を細く切っていて、カウンターの向こうには丸い鉄板の上で焼いている男が見える。僕は自分の注文したものが出てくるまで、男たちが黙々と手際よく働いているのを自分の歯まだかまだかと思いながら眺めていた。