険しい表情の面を付けた男が弓を手に舞い続けていた。表情は相当に怒っているのだけれど、怒りにかまけて弓矢を放つことはない。表情とは裏腹に、舞は穏やかで優雅だった。もちろん、面の表情が怒っているだけで面を付けている男自信が怒っている訳ではない。
男は冷静さを保ちながら舞っている。もし、この男が冷静さを失ってしまったら演じられている能が台無しになってしまう。能は観客に向けて舞っている訳ではない。ここに祀られている神様に対して舞っているのだ。だからこそ、男は粛々と任務を遂行する必要があるのだった。
2007年7月 人びと 東京 | |
船首 マスク・仮面 能 新宿 神社 |
No
965
撮影年月
2007年5月
投稿日
2007年07月10日
更新日
2024年02月08日
撮影場所
新宿 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
CANON EOS 1V