ジャカルタの住宅街の中を歩いていると、一軒の床屋があった。今まで訪れた町の中で、スーパーマーケットやコンビニのない町はあっても、床屋のない町はなかった。どこの町でもウロウロと歩いていると床屋を見けかけるのは珍しいことではない。髪の毛は生えている限り伸びてしまうので、それを処理する商売は国が発展している、発展していないという経済状況と関係なく存在しているのだ。よく世界最古の商売は売春なんていうけれど、床屋という商売も売春に負けずとも劣らず長い歴史があるのだと思う。
一口に散髪サービスと言っても、その内容は地域によって異なっていて、日本では当たり前の洗髪サービスも東南アジアや南アジアではあまりしてくれる床屋がないように見える。このジャカルタで見かけた床屋もやはり洗髪のサービスはないようだった。店内を見渡しても、どこにもシャンプー台は見当たらない。大きな鏡の前に客が腰掛ける椅子が置いてあるだけだった。
この床屋の店内にはのんびりした空気が漂っていた。鏡の横では男が寝ていて、鏡の中には店先に屋台を出していた男が鏡越しにこちらを見ているのが映っていた。
2020年11月 インドネシア 人びと | |
床屋 ジャカルタ 鏡 昼寝 |
No
11742
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年11月27日
更新日
2023年08月30日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF