ジャカルタの住宅街を歩いていると、道沿いに小さな店舗がチラホラと現れた。ついさっき見たのはバイクの整備工場で、次に現れたのは仕立屋だった。テーブルをひとつ置くだけでいっぱいになってしまうような小さな店舗の中にタキーヤをかぶった男が腰を下ろしていて、テーブルの上にはミシンが置かれている。東南アジアや南アジアでよく目にする小さな小さな仕立屋だ。
この仕立屋が使っているミシンはかなり年季の入った代物だった。日本だとアンティークに分類されてしまうようなものだ。ミシン本体に蝶々の絵が書いてあって、BUTTERFLYと書かれているようだけれど、消えかかっていて判然としない。この手の古いミシンはアメリカのSINGER社製であることが多いけれど、これは違うようだ。
いずれにしても相当に古いミシンで、代々受け継がれてきたもののように見える。ひょっとしたら、この若い仕立屋の曽祖父が使っていたのではないかと思うくらいだ。古いミシンで仕事中の仕立屋にカメラを向けると、年季の入ったミシンとは対象的な若々しい笑顔を見せてくれて、親指もしっかりと立ててくれた。
2020年9月 インドネシア 人びと | |
ジャカルタ ミシン 無精髭 仕立屋 サムアップ |
No
11656
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年09月02日
更新日
2023年08月31日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF