歩いていた道の端にはテーブルが幾つも出ていた。どれも屋台のテーブルだ。でも、ここに出ている屋台のほとんどは食べ物を売る屋台ではなかった。縫製を行う屋台ばかりだ。テーブルの上には古びたミシンが備え付けられている。縫製をする屋台が道に並んでいるのを目にすると、ネパールの町を思い起こす。ミャンマーもやはり人件費の安い国だ。そのため、今でもこのような労働集約的な仕事が町中で成り立っているのだろう。
写真の男もミシンを使って道端で仕事をしていたひとりだ。男のところにやって来た時、ちょうどミシンを操ってる最中だった。古びたミシンの滑車は勢いよく回転し、男の視線はミシンの針先へと注がれている。僕はそっとカメラを男に向ける。ファインダーを覗いてシャッターに指を置いている間も、ミシンはどんどんと生地を縫っている。そのせいだけなのかは分からないけれど、男にはすぐ横に立っている外国人に視線を向けるような時間はないようだった。
No
11176
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年09月03日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA