ソンテウの荷台に腰を下ろして人びとが出発時間を待っていた

バンコクで通りかかった道路脇に何台ものソンテウと呼ばれる乗合バスが停まっていた。乗り合いバスの発着場になっているようだ。このピックアップトラックもそこに駐められていたソンテウの一台だ。荷台には既に人びとが乗り込んでいて、その奥には乗客が持ち込んだ大きな袋も見える。もう出発準備は万端だ。でも、ソンテウのエンジンは冷たいままで、すぐには出発するような雰囲気はない。乗り込んだ乗客たちは静かに荷台に腰を下ろして、出発時間が来るのを待っていた。

荷台の前に立ち止まると、乗っていた人びとが一斉に僕のことを見た。真中にはサッカーのユニフォームを着た男の子が座っていて、周囲を年配の女性たちに囲まれている。荷台の中には帽子も見えた。籐で編んだ帽子だ。バンコクを歩いていても、このような帽子をかぶっている人を見掛けることはほとんどない。田舎で農作業をする人がかぶっているイメージだ。偏見かもしれないけれど。この人たちはソンテウに乗って、近郊の農村地帯に向かうところなのだろう。奥に見える帽子に小さくOKと書かれていた。

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