一台のピックアップトラックが道路脇に停まっていた。これもソンテウという乗合バスとして使われているものだ。他のソンテウとはちょっと違って、このトラックの荷台には屋根が備え付けられていない。これに乗って移動していて、途中で雨が降って来たらどうするのだろう。逃げ場もない荷台の上で乗客も荷物もみなびしょ濡れになってしまうに違いない。でも、そんなことは地元の人にとっては気に留める必要のない些末なことのようだ。見ていると、どんどんと大きな袋が荷台に載せられていく。
荷台の端に男の子が腰掛けていた。胸には何かのマークが付いた体操服のようなものを着ている。後ろでせっせと荷を載せている大人たちとは一線を画して、男の子はじっとしている。目は虚ろで視線も定まっていない。僕は目の前に立ちはだかっても、男の子は僕には一瞥もくれなかった。心ここにあらずといった感じだ。おそらくは誰にも邪魔されずに、孤独に浸りたい年頃なのだろう。
2018年4月 人びと タイ | |
バンコク 男の子 トラック |
No
10518
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年04月13日
更新日
2024年02月21日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA