トラックの荷台に制服姿の生徒が大勢乗っていた

とことこ歩いて、タニンの中心部へ戻りつつあった。気がつけば空がどんよりしていて小雨が降り出している。この時期のミャンマーは雨季で、小雨だと思って気を抜いているとあっという間に豪雨になってしまう。雨宿りできる場所を探して自然と急ぎ足になっていた。

目の前にピックアップ・トラックを改造したバスが停車していた。この時僕が探していたのは交通機関ではなく、雨を避けることが出来る場所だ。僕が幾つもの視線を感じたのは、バスに用はないので、そそくさと通り過ぎようとした時だった。

座席が取り付けられた荷台に学校の制服を着た大勢の生徒たちが乗っていて、みな一斉にこちらを見ている。このピックアップ・トラックはスクールバスとして使われているようだ。突然現れた外国人にびっくりしていたようで、興味津々の目を僕に向けている。小雨が降りしきる中、僕は立ち止まって生徒たちの視線に負けないようにカメラを向け返した。それに応えてくれるかのように何人かはピースサインを繰り出してくれた。

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