交差点で信号待ちをしていると、通りの向こう側に同じように信号待ちをしているスクーターの群れが目に入った。台湾ではスクーターが主要な移動手段になっているようで、あまりにも多くのスクーターが走っているのを見ると、歩いて移動しているのは観光客くらいなのではないかと錯覚してしまうほどだ。
ところで、台湾には日本と同じように独自の年号が存在する。台湾の年号は「民国紀元」と呼ばれ、1912年の中華民国成立を元年として数えられている。「民国」とは中華民国そのものを指し、民国紀元の年数は辛亥革命勃発からの経過年数ということになる。たとえば、平成29年にあたる西暦2017年は民国106年だ。台湾の公文書では、この民国紀元を使用することが定められているが、外国人には馴染みが薄いため、理解しづらい部分もあるだろう。もっとも、日本の元号も外国人にとっては似たような難解さを持っている。平成や令和と言われても、日本文化に詳しくない人にはピンとこないかもしれない。
世界を見渡してみると、すべての国が西暦を用いているわけではない。日本の元号もその一例だが、北朝鮮には主体年号という独自の暦があるし、イスラム諸国ではイスラム暦が広く使用されている。西暦はキリストの誕生を基準としているため、各国の独自の暦はその国や文化がどのように自らの歴史やアイデンティティを定義しているかを反映しているように思える。国家や文化が「時」をどのように刻むかは、その国の価値観や歴史観を垣間見る手がかりなのだ。
2017年3月 町角 台湾 | |
ヘルメット バイク 看板 台南 信号 |
No
10079
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年03月21日
更新日
2025年01月18日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
EF85MM F1.2L II USM