ジャカルタの住宅街を歩いていた。道端には地元の人がところどころに腰を下ろしていて、その中を縫うように歩いていた。人びとが僕を見たときの反応は様々だ。こちらを見て不思議そうな顔をする人もいれば、一瞥するだけで興味なさそうに視線を元に戻す人もいる。いずれにしても、歩いていて敵意を感じることはない。興味を示さなくとも、声をかけると気さくに応じてくれるし、ちょうどいい距離感だ。
ここでは住宅街の中がくつろぐ場所になっている。近くには食堂はあるけれど、小洒落た喫茶店などはない。のんびりと友人とお喋りに興じるような場所がないから、多くの人が路地で時間を過ごしているのだ。この写真の老人も路地に腰を下ろしていたひとりだった。帽子をかぶって襟元を大きく開けて、のんびりと道端に腰を下ろしていた。
目の前にやって来た僕を見ても、カメラを見ても、老人は特に表情を変えることはなかった。興味があるかどうかというと、興味のない人だ。それでもカメラを老人に向けると、さっきまでの穏やかな表情そのままでファインダーに収まってくれた。
2020年8月 インドネシア 人びと | |
帽子 ジャカルタ 老人 無精髭 |
No
11652
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年08月29日
更新日
2023年08月31日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF