人が多く集まるところにはタクシーのような運送業の人たちも多く集まってくる。ジャワ島のチルボンにあるカノマン市場でもそれは同じだった。もっとも自動車のタクシーは一台もいない。連なって客待ちをしているのはベチャと呼ぼれる自転車タクシーばかりだ。写真の野球帽をかぶった若い男もそのひとりだ。
買い物客があちらこちらにいるとはいえ、ベチャに乗ろうとする客が次から次へと現れるわけでもない。野球帽をかぶって無精髭を生やした若者は暇そうだった。カメラを向けると恥ずかしそうな笑顔を見せてくれた。
目尻を下げて笑ってくれた若者の帽子をよく見てみると、ニューヨーク・ヤンキースのロゴが付いていた。若者はヤンキースのファンなのだろうか。いやいや、ここはインドネシアだ。バドミントンやサッカーはメジャーなスポーツだけれど、野球はまったくもってマイナーなスポーツの国だ。2018年にインドネシアで開催されたアジア大会では野球も実施されたようだけれど、町を歩いていても野球に興じている子どもなんて見たことはない。この若者もニューヨーク・ヤンキースが好きというよりも、ニューヨークという大都会に憧れているのではないかと勘ぐってしまう。そう考えた方がしっくり来る。
2021年2月 インドネシア 人びと | |
帽子 リクシャワラー 笑顔 無精髭 青年 |
No
11810
撮影年月
2020年1月
投稿日
2021年02月07日
更新日
2023年08月29日
撮影場所
チルボン / インドネシア
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF