男がジャカルタの町で細長い台車を押して歩いていた。なかなか見かけない形の細長い台車だった。上にはポリタンクがいくつも載っている。ピッタリと隙間なくポリタンクが載せられているのを見ると、ポリタンクをいくつも運べるように作られた専用の台車のように見える。
載せられているポリタンクは日本では灯油を入れるのに使われるような大きなポリタンクだった。調べてみると、ポリタンクにも規格というものが存在するらしい。日本国内ではJIS規格で定められていて、国際的には国際連合が勧告する基準というものが存在するらしい。
国際連合の勧告する基準をクリアしたポリタンクにはUN表示がされるという。車体にデカデカとUNと記載された自動車やトラックはシリアのゴラン高原で何台も目にしたことがあるけれど、UNと記載されたポリタンクはまだ見たことがない。僕が注意力散漫なだけだろうか。
男が運んでいたポリタンクは何を入れるものかは分からない。何を入れるにしてもこれだけ多くのポリタンクに液体を入れて運んだら重いはずなのに、男は笑いながら軽々と運んでいた。
それもそのはず、よく見てみるとポリタンクの蓋はどれもこれも空いている。中は空っぽのものばかりのようだった。
2020年10月 インドネシア 人びと | |
帽子 荷車 ジャカルタ 運送人 |
No
11704
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年10月20日
更新日
2023年08月30日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF