髭を蓄えたヒゲの男が頭に大きな籠を載せて歩いていた。白い髭を蓄え、日に焼けた顔には深い皺が刻まれている。その頭上には、大きな籠。山盛りのバナナが無造作に詰め込まれていた。
籠は重そうだった。肩に背負うでも、カートに乗せるでもなく、彼はその重量を頭に預けていた。左右の手はしっかりと籠を支え、時折バランスを取りながら、ゆっくりと、しかし確実に前へと歩を進めていた。
この国では、荷物を頭に載せて運ぶ姿は決して珍しくない。だが、それが高齢の身であれば話は別だ。日々の重さはきっと、年齢とともに増していく。誰もが便利な機械や運搬具に頼れるわけではないのが、ここバングラデシュの現実である。
彼の顔には苦悶の色が浮かんでいた。だが、足は止まらない。下を向きながらも、一歩ずつ、一歩ずつ、静かに前進していた。
2014年1月 バングラデシュ 人びと | |
バナナ 籠 髭 ダッカ 頭上 |
No
8271
撮影年月
2009年9月
投稿日
2014年01月26日
更新日
2025年06月24日
撮影場所
ダッカ / バングラデシュ
ジャンル
スナップ写真
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM