問屋街で荷物の運搬方法を観察していると、人力での多様な工夫が見えてくる。ここには機械化の影はまったくなく、フォークリフトなどは存在しない。全てが人力で賄われているのだ。その中でもっとも一般的なのが台車だ。いくつもの荷を積み重ねて運ぶ姿は、効率的かつ普遍的な手段に見える。
次に目立つのが、大きな籠を使う方法だ。籠に荷を詰め、それを頭上に載せてバランスを取りながら運んでいく人が多い。この光景は、いかにもインドらしい独特の所作に思える。そしてさらにシンプルな方法として、肩に担ぐ人や、写真の男のように直接頭上に荷を載せる方法も見られる。何も道具を介さない運び方は、最も原始的でありながら、ある意味で高度なバランス感覚が求められる手段だろう。
それぞれの運搬方法には適した荷の種類や状況があるのかもしれないが、素人目には、どんな荷物でも台車を使うのが一番楽そうに見える。とはいえ、ここでの作業には、その場でしか通用しない効率や経験則があるのだろう。単純な道具選びにも、この街独特の理由が隠されているのかもしれない。
2025年1月 インド 人びと | |
重荷 ムンバイ 頭上 運送人 頬髭 |
No
12758
撮影年月
2024年5月
投稿日
2025年01月09日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF