階段の上にぼんやりと立っていた。外も蒸し暑いけれど、冷房のあまり効いていない建物の中もやはり蒸し暑かった。どこからともなく女性が現れて、階段を下っていった。片手に携帯電話を持っていた女性は、そのまま急ぎ足で建物の外へと出て行く。
女性は外で電話をするつもりなのだろう。誰にも聞かれたくない話をするに違いない。女性がいなくなると、蒸し暑い廊下に立っているのは再び僕だけになった。静けさの中にムシムシという男が聞こえてきそうな気がした。
2015年8月 町角 東京 | |
携帯電話 碑文谷 階段 |
No
9438
撮影年月
2015年7月
投稿日
2015年08月22日
更新日
2023年10月03日
撮影場所
碑文谷 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SIGMA DP2 MERRILL