住宅街に建つ円融寺の境内はそれほど広くないので、あっという間に歩き終えてしまう。国の重要文化財に指定されている釈迦堂を見て、境内に漂う穏やかな雰囲気を満喫した僕は外に出ることにした。仁王門をくぐり抜け、参道を進む。すると、そこに一匹の犬が鎮座していた。
手すりに紐で繋がれた犬は、舌を出しながら楽しそうに本堂の方を眺めている。ご主人が参拝し終えるのをそこで行儀よく待っているようだ。僕が視線を遮るように目の前に立っても、僕には視線を向けない。よほどご主人のことが好きなようで、ご主人が戻ってくるのを今か今かと待っている。突然現れたどこの誰だか分からない僕のことなど視界に入らないのだ。
犬の向こうには細い参道が真っ直ぐに伸びていて、終わりには江戸時代の建築とされる山門がポツンと建っている。参道の真ん中にお座りしていた犬は、まるで参道を邪悪なものから護る狛犬のようだった。
2019年9月 動物 東京 | |
参道 犬 碑文谷 笑顔 舌 |
No
11215
撮影年月
2019年3月
投稿日
2019年09月29日
更新日
2023年10月24日
撮影場所
碑文谷 / 東京
ジャンル
動物写真
カメラ
RICOH GR III