向島の辺りは昔からの下町だ。かつては色街があって賑わっていて、小説の舞台にもなっている。例えば永井荷風の小説である濹東綺譚の「墨東」とはこの辺りのことだ。でも、すっかり寂れている。今では向島と聞いて繁華街だと思う人はほとんどいないだろう。静かな住宅街が広がっている。ところどころに神社や仏閣が静かに建っているだけだ。
そんなこのエリアに巨大な建造物が完成したのは2012年だ。向島からそう離れていない押上に東京スカイツリーが建てられたのだ。周囲には高い建造物が無いので、並外れて高く見える。634メートルの高さを誇るスカイツリーは世界で2番目に高い構造物なのだそうだ。世界で2番目というのが微妙な説明だけれど。
その微妙さはさておき、この辺りを歩いていると、まるでこの世に君臨しているかのようにどこにいてもその姿は視界に入ってくるのだった。低層のビルの間の道を歩いていても、やはり道の先には巨大なスカイツリーが聳えているのが見えたのだった。
2018年10月 町角 東京 | |
ベビーカー 向島 塔 |
No
10758
撮影年月
2018年5月
投稿日
2018年10月10日
更新日
2024年01月29日
撮影場所
向島 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA