木製の椅子がコンクリートの壁の向かいに置かれていた。殺風景な壁には鏡が掛けられている。そして椅子には長い髭を蓄えた男が静かに腰を下ろしていた。そこだけ見るとなんだか刑務所のようにも見えてしまうが、ここはマイメンシンの町角で見かけた青空床屋だ。男は別に人生を振り返っているわけでもなく、単に順番が来るのを待っているのだった。
近づいていくと、男が振り返った。なぜだかは分からないけれど、浮かない顔をしている。悲しげな視線で僕を見たのだった。状況を見ると、その理由は目の前の鏡が曇っていることではないと思う。
2014年5月 バングラデシュ 人びと | |
床屋 椅子 男性 鏡 マイメンシン |
No
8561
撮影年月
2009年9月
投稿日
2014年05月31日
更新日
2023年12月12日
撮影場所
マイメンシン / バングラデシュ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM