車道の両脇には屋台が立ち並んでいて、ただでさえ狭くなった歩道を買い物客がわんさかと歩いている。これだけ混雑していると、歩道をスムーズに歩くのは困難だ。そう思った僕は車道の端っこを歩くことにした。ここだと人があまりいなくて歩きやすい。それに屋台の内側も見ることで出来て一石二鳥なのだ。屋台で働いている人のほとんどは僕が背後から覗いていることなぞには気がつかない。なんだか舞台裏をこっそり覗いているような気がして面白いのだ。
でも、中には他と変わっている人もやはりいて、僕の気配を感じ取ってしまう人もいる。写真の女性もそのひとりだった。眼鏡を掛けてウエストポーチをしていた女性は、僕が何も話しかけていないのに僕が背後に立ち止まると自然と後ろを振り返ったのだった。そして、不思議そうな目で僕を見始めた。僕は僕で自分の存在感がそれほどまでに大きいのかと思ってちょっと吃驚してしまった。普段は控え目な人間のはずなのに。
2018年3月 人びと タイ | |
バンコク 眼鏡 出店 女性 |
No
10477
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年03月12日
更新日
2024年03月26日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA